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Julinoza(Юлія Запорожец) - ESC2018のウクライナ国内予選を追いかける⑥


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順不同に予選参加者を紹介する記事。

今回紹介するのは、Julinozaこと、ユリヤ・ザポロージェツ(Юлія Запорожец)。
Julinozaは、「ユリノザ」と呼んでいいのだろうか。
日本人にとって言いやすいのが嬉しい4文字(4音)で、いい名義だな~と思っています。

ゆりのざちゃん。

かなり早い段階から、今回の予選に出場する楽曲が決まっていまして。
さっそく該当の曲を紹介しておきましょう!




HTO YA?という楽曲タイトルは、ウクライナ語のラテン文字転写で、
Хто Я?(私は誰?)という意味。

歌詞は英語とウクライナ語の混合。

20世紀のクラシックを思わせる、不思議ちゃんな楽曲だ。
インパクトがあって、暗くて激しくて、型にはまらなくて、斬新で、
ここがつかみどころだ!というポイントが人それぞれになりそう。

これはいいのかな?悪いのかな?
とりあえず私は好きですが…!!

ただ、イントロが長かったり、ハミング部分が多かったりと、
3分間でガッツリ人の心を掴まなきゃいけないステージに送る歌としては十分なの?
という不安もある。
ステージではまたアレンジを重ねてくる可能性も勿論あるけれども。

というわけで、
これがESCっぽいか?というとなんとも微妙だが、
純粋にこの曲が好みだし、Julinozaのことはかねてから好きな歌手だったので、
是非とも伸びてほしい!!!!!という気持ち。


■■Голос Країни(ウクライナVoice)7期■■

前回記事にしたIngretに続き、Julinozaも
Голос Країни(ウクライナVoice)7期出身の歌手の新人歌手である。

Julinoza、特徴的な甘い声の持ち主で、激しい弾き語りがお得意。
作曲も出来るし、クラシック音楽の教養も豊富な人物である。
彼女の音楽はなかなかに興味深い!!
(…ということにこの記事を書くためにあれこれ調べていて気付いた。)


それでは、具体的に動画を見ていきましょう!!!



Голос Країни(ウクライナVoice)7期のブラインドオーディションでの、
Julinoza、こと、ユリヤ・ザポロージェツさん。

今ウクライナで最も流行りの歌手の一人、フリスティーナ・ソロヴィー(Христина Соловій)Тримай(つかまえて)を抒情的な弾き語りでぶちかます初登場。

VoiceのオーディションでТримайを歌う挑戦者は多いけど、
現在までのところ、これを弾き語りで歌ったのは彼女ぐらいのものだ。

Тримайの雰囲気…というか原曲歌手ソロヴィーのポリシーと世界観である
「民謡風」「ウクライナ風」要素や独特のしんみりした物悲しい感じを拭い去った、
革命的なアレンジだったと思う。
それでいて歌唱がばっちり安定しているので、大いに印象に残る。

ここでのJulinozaのコーチは、
今回の国内予選のセミ1に出るセルゲイ・バブキン(Сергій Бабкін)になりました。

この子とコーチが一緒に予選ファイナルに進んだらおもろいね!!




恒例の2人組のやつ。
たまたま弾き語りの子が2人いたので、コーチのセルゲイさんがこの2人をぶつけた。
原曲は、ロシアの有名歌手ゼムフィーラ(Земфира)のМачо

声とキーボードの両方が勢いよく畳み掛けてくる(良い意味での)ガチャガチャしたやかましさ、トランス感がいい。




先程の選考段階で、セルゲイコーチには選んでもらえなかったものの、
Jamalaコーチに拾われることとなったJulinoza。

2つ上に動画を貼ったブラインドオーディションでは、
よく見ると、Jamalaが歌い出し8秒目でターンしたのだったね。
グッとくる要素があったのだろう。

巡り巡って今回の予選で審査員を務めるJamalaは彼女をどう評価するのだろうか。
これも非常に気になるところ。


ここでJulinozaが歌っているのは、
Летять галочки(カラスが飛んでいく)というウクライナ民謡。

なんだかずいぶん前衛的な演奏。
万人受けはしないけど、ハマる人はめっちゃハマりそうな歌…!!!!


さて、
ウクライナVoiceのオーディションでは、あまり先の選考へ進めなかったので、
番組関連の動画はこの3つで終わりです。

ただオーディションの結果があまりよろしくなくても、
Julinozaは、個人の活動、オリジナル楽曲の発表は盛んに行っているようで。
これは嬉しい…!
ESCへの出場を控えているとあっては、むしろそっちのほうが気になるね。

では見ていきましょう。



■■オーディション以外での音楽活動■■

Julinozaについては、とにかくYoutubeの公式チャンネルがめちゃめちゃ濃い。
実にありがたい。

たくさん動画あってすごいな~(棒)と眺めて軽く聴いていた程度だったのですが、
これを機に、自分自身も気になるので、入念に見ていこうと思います。




Julinozaは現在25~6歳であるが、
なんと、最古の動画は7年前のものだ。

女子2人組での、英語の歌詞のお歌。
(Juolというのがもう一人の女の子の名義かな?)
これはジャンルとしては、ジャズ・フュージョン…とかになるんだろうか。

声と顔が!!今と!!!!全然変わってない…!!!!!




同じく7年前に更新された動画。
ジャジーな雰囲気が素敵。




2013年に更新された動画。
やはりジャズ・フュージョン・ラテン…あたりの路線を目指しているのだろうか。

ちょっと椎名林檎っぽくある。
林檎さん好きな人はぜひ聴こう!!(圧倒的飛躍)




大きく毛色を変えて、
ピアノとヴァイオリン演奏だけのインスト楽曲で、
Julinozaがピアノを演奏している動画を発見。
キャプションによると、なんとこれ、Julinozaが作曲した楽曲とのことだ。

彼女の職業は、歌手・作曲家・ピアニスト…とよく書かれているが、
自身の歌だけでなく、クラシックの作曲までやるらしい。

今回のESC2018に出るHTO YA?を聴いて、シンフォニック風だな~と思ったけど、
そっちが得意分野なのかしらね。

ちなみにここでヴァイオリンを弾いているのは
ポリーナ・チャイカ(Полина Чайка)というヴァイオリニストで、
Julinozaと同じオデッサの方だそう。




ガチなクラシック楽曲その②。
10分間ピアノ演奏をするJulinoza。
こういう演奏もするのね~~~~~~~~







ライブをやったときの動画もありました。
2016年と2017年の動画。
なんだかんだこのへんが、今回のHTO YA?に近い雰囲気だろうか。



■■Julinozaのバイオグラフィー■■

どう考えても順番が前後している気が…しないでもないけど……、
公式サイトもあるらしいので見てみることに。


バイオグラフィーがウクライナ語・英語の併記で記載されている(ありがたい!)。

Julinozaとは……

2014年にオデッサで結成されたグループである。
広く知られるようになったのは、ウクライナVoiceの出場がきっかけ。
現在のJulinozaは、ユリヤ・ザポロージェツ(Юлія Запорожец)と、ドラマーのイーホル・チェボタレウ(Ігор Чеботарев)のデュオである。

2016年には、ドイツのレコード会社Stereoflexから、
デビューアルバムのTHE CONDUCTOR OF IMAGINATIONをリリースし(収録曲の一つ)、


2017年には、ミニアルバムRIFFをリリースした(収録曲の一つ)。



外国からメジャーデビュー済みだったとは驚いた…!!!!!!!


そしてJulinozaは名義・芸名というより、グループの名前だったことが発覚
あまりそういう感触を受けなかったのですっかり気が付かなかったw
勉強になりました……!

でもデュオ結成前の動画にも”Julinoza(Юлія Запорожец)”って併記になってるし、
個人名の言換えとしても、デュオの名前としても、どっちで使うケースもありなのかな?


公式サイトのほか、ロシアのSNS、В КОНТАКТЕにもページがあり、
Julinozaがオデッサ国立音楽大学の卒業生で、音楽理論と作曲を学んだという情報を発見。

なるほど、
さっきの動画のような、ずいぶん本格的なクラシック作曲とピアノ演奏は
ここから来ていたんですね~~~~~~~~~

ほとんどウクライナVoiceに出たときのJulinozaしか知らなかったので、
これを書きながら自分自身が驚きまくっていますww



■■今年(2018年)の国内予選■■

Julinozaの意外なバックグラウンドがたくさん発見されたところで、
重要点に戻って、
今年のESCに出場するにあたっての楽曲をもう一度。



ユーロビジョン本体でも、ウクライナの予選でも、
こういうジャンル・雰囲気の歌は実に新鮮な印象を受けます。

ESCでウケそうかな??ということより、
難解でも個性的でも、普段の表現を追求してきたのだろう。

好きな歌手がこういうスタイルで来ると応援したい気持ちが高まりますね…!


(2月17日追記)

それから、歌詞が公開されたので、見ておきましょう。

【歌詞+ウクライナ語部分のみ文法に忠実に和訳】

(0:35~0:58)
Come to me my light of the sun.. 
Bring me to the sea of my mind.. 
Where a lot of truth.. 
Who am I my way? 

(1:20~1:44)
Хто Я? Може знаєш? 
Пeлюстки дощів моїх питань в сeрці.. а в сeрці Хто Я? 
Алe хто? Планети спів підкаже шлях..(*)

(2:22~2:40)
Хто Я? Може знаєш? 
Планети спів підкаже шлях.. підкаже шлях..(*)


短い……!!!!!!!
やっぱりESCでは相当斬新なスタイルだわこれ………!!!!!!


後半のウクライナ語部分(繰り返し)は、

Хто Я? Може знаєш? 
Пeлюстки дощів моїх питань в сeрці.. а в сeрці Хто Я? 
Алe хто? Планети спів підкаже шлях..

私は誰だろう?もしかして君は知ってる?
心の中には、私の疑問の雨の花びらが…心の中では、私は誰なんだろう?
ああ、誰なんだろう?惑星の歌が道をそっと教えてくれる…


…と訳せるだろうか。


なんだかメルヘンチック…自我の行方みたいなものを歌っているのかな…???
情報量が少ないとよりいっそう難しいですね。
歌詞の訳って難しい!


訳してみて、改めて、
意味のある言葉のまとまりを歌っている時間がすごく短いのが分かる。

聴く人によっては、これは「歌」というよりも「音楽」になるだろうか。
芸術的だけど、
これはESCとしてはどうなのかな…???

でも、Juliozaの武器たる鍵盤楽器の演奏と、ハミング・スキャットを堪能しながら、
ファンタジーな雰囲気に包まれる楽しみ方ができるんですねきっと…!!

3番目のステージだけちょっと違う世界が形成されるのだろう。


さてそんなJulinozaのステージは、精鋭が集う2月17日のセミファイナル2にて!!!!
古典教養を備えた音楽家Julinozaは、欧州の舞台へ羽ばたけるだろうか。
楽しみに待ちましょう!!!!!


*以下、ウクライナ語部分の訳に関する言い訳のようなもの

最後の行、"Планети спів підкаже шлях"の訳
「惑星の歌が道をそっと教えてくれる」には正直かなり困ってしまった。

上記の訳になったプロセスをば。

まず単語に分解。
планети…「惑星」(планета)の属格、複数主格または複数対格
спів…「歌、歌うこと」の主格または対格
підкаже…「示す、教える」(підказати)の3人称単数形
шлях…「道、方法」の主格または対格
("підкаже шлях"は定番の言い回しで、「道(方法)を暗示する、教える」)
підкажеと3人称単数に活用しているので、「教える」の主語が何なのか?と絞っていく。
співではないか、ということになる。

ただし、「惑星の歌(惑星が歌うこと)」という意味を作るのであれば、
文法的に正しいのは"Спів планети"という語順なのだけど、

ここで1音ずつに分解して、歌と旋律と照合してみると、

Пла-не́-ти  спів   під-ка́-же  шлях
Pla-ne-ty  spiv   pid-ka-zhe  shlyakh
 短--短 短        短--短 短 

という風に、長い音符と、単語のアクセント(*)の位置が一致する。
*ウクライナ語は、強弱アクセントではなく、長短アクセントの言語である。

ここで仮に、文法的に正しい語順で歌うとすると、

Спів плане́ти   під-ка́-же  шлях
Spiv  pla-ne-ty   pid-ka-zhe  shlyakh
 短--短 短        短--短 短 

こんな風に、長い音符と単語のアクセントがずれて、詩の形式として変な感じだ。

なので、地の文であれば文法的に正しくはない語順なのだけど、
詩(歌詞)の体裁を整えるために、語順をひっくり返したのだろうと判断して訳した。
大丈夫かな…????合ってるかな???


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【参考リンク】

ウクライナ国内予選(Національний Відбір)公式サイト(2種類)
http://eurovision.stb.ua/ua/(ウクライナ語・ロシア語)
https://eurovision.ua/2018(ウクライナ語)

Twitter公式アカウント
https://twitter.com/uapbc(英語・ウクライナ語)

国内予選参加者18名の紹介動画
(オープニングで歌っているのは昨年のセミ3に出場したVivianne Mort)


必要に応じてご参照ください。
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